月別アーカイブ: 2018年3月

ひとまず今と今後

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ずいぶんと間が空いてしまい申し訳ありませんでした。

ご支援も続けてくださっている方々、ここでの報告逐一できていませんが、とても感謝です。パパママの会の視点でいうと消えていかれた方も確かにおられますが、復活された方もおられますし、人それぞれ、ここではないどこかで動物たちの命を大事にしてくださっているのならそれでもいいと思っています。ご縁のあった方みなさんに感謝しています。
馬も娘も猫たちも、生き残った子たちは皆元気です。
妻が倒れて2年。現実にも、運命的にも、嵐が何度も訪れた2年。
愛する命をいくつも失いました。「失った」というのはもちろん私の視点であって、みな、寿命を全うしたにすぎないのかもしれません。
ギュゼの報告の後、しばらくしてゼットも実は若くして亡くなりました。天国でギュゼに追いつけただろうか、地上でもずっとお尻を追いかけていたから、でもゼットはうちで一番脚が速かったから、などと、今でこそ思ったり書いたりできていますが、これがまた突然胸が締め付けられて自分を責めたくなったりの、何百回とない繰り返しで、今も薄氷を履む思いの張り詰めた中で奇跡的に記事を書けています。(この勢いでアップまでこぎつけたいと思うので、話にまとまりがなくてもご容赦ください)

 

昨年、ちょうど、このひとつ前の記事から1ヶ月くらい経って、次の記事を書こうとしていた矢先。妻が二番目に可愛がっていた猫が亡くなりました。まだまだ若かったけど、もともと0歳の時に事故で半身麻痺になったのを引き取った子。生前獣医に見せた時にも骨盤の発育が不十分で内臓に追いつけてないから云々と言われていたのを、娘にきちんと説明して埋めにいくので精一杯。
生きている子たちにご飯をあげる。どうして妻が死なねばならなかったのか、自分などがどうして生きているのか、教えてくれる人は誰もいないので、娘の慰めに通い始めた図書館で本を漁る。眠るのがなぜか怖くてギリギリまで起きていて、明け方にやっと力尽きてその場で眠り込む。
秋になりどんどん寒くなる。冬に備える。屋根に登って雨漏りを直し隙間風を防ぐ。ストーブが壊れる。もともとあった薪ストーブを慌てて運び出し、煙突をつなぐ。建設会社に電話して廃材をもらってくる。1日にひとつふたつ何かやるとドッと疲れる。2度目に廃材をもらってきて軽トラを返し帰宅した後、熱が吹き出して寝込む。
娘の食事を用意し(犬猫の世話と朝食は娘がやって)、馬の草を配り(これも時々娘に手伝ってもらい)、ストーブを燃やす、それだけの日々が何週間も続いてる最中のある寒い晩、私が一番可愛がっていた猫が死んでいました。

 
墜ち落とされ雪の斜面を滑り落ち、ちょっと上り坂になったかと思うとまた崖から落ちる。木に引っかかって助かった!と思ったらまた落ちる。映画でよくありますよね。ハタから見てるとよく生きてるなと思うでしょう。自分でも思います。こうなると自分の力なんて何の意味もない。天の力に生かされているだけです。
絶望する資格すらない私は、ただただ感謝して生きています。天に、妻に、娘に、猫たちに、馬たちに。雀たちに、狐たちに、草たちに。もちろん見守ってくださる皆さまに。

妻が死んですぐの時は、とにかく世界が憎かった。プロジェクトを立ち上げざるをえなかった、この歪んだ世界が憎かった。何もかも放り出そうかと正直頭をよぎることはありました。私は妻と違って俗人で凡人で、妻と出会うまでは本当にフラフラ生きてきたので。
今はというと、世界を変えるのがどれだけ大変か身に染みてますから滅多やたらリベンジに走るような無謀さも、気力体力もありません。

が、例えば妻がやり残したことがあって、私にそれを引き継ぐ運命があるなら、喜んでそれを私の仕事としたいと考えています。

 

思えば、アンヌも悲しみを背負ってます。
母馬の息吹が馬房で息を引き取り、クレーン車が回収する間、息吹の遺体を追いかけてトラックに駆け寄ろうとする子馬の(といっても私より大きいのですが)アンヌを必死で抑えていた日、その時とおんなじつぶらな悲しい目を、今でもいつでもアンヌは見せます。
ギャビィとの子馬を産んだ時、アンヌは生後2日で動かなくなった我が子がクレーンに引きずられ連れ去られるのを見ていましたが、駆け寄ろうとはしませんでした。
冷たくなった妻が救急車に運ばれるのを、アンヌは見えるところにいたけれど、どこまで見えたか、わかったか、私にはわかりません。妻はアンヌの第二のお母さんだった。

アンヌに残されたのも私と娘。妻の一番可愛がっていた猫に残されたのも私と娘。私は娘が悲しみに負けず楽しくたくましく生きていけるように、生きているうちにできるだけのことをするでしょう。ただ、無理をして早々に力尽きることだけは絶対に避けねばならない。
私は妻に1日でも長く、何十年でも生きていて欲しかった。娘も私にそう思っているでしょう。この牧場に生きる、ほかの家族たちも。こんな私ですけど、ご飯を欠かさないことくらいはたぶんできるので、これからも頑張ります。温かく静かに見守ってくださる皆様、本当に本当にありがとうございます。

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